義輝感想

もっと歴史シリーズ

剣豪将軍義輝 後編

原作は未読です。感想は基本遅いです…(義伝が例外)

 

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良かったです、良かったんですけど…

なんで最後の場面ああなったんでしょうか?!すごくダサかったです。

船上の梅花に抱かれている義輝の遺児、後ろ(セットが組んであるので高い場所)で死んだ父母が見守っていて、満天の星空。すっごく古臭い感じ。

構図を分かりやすく言うと、手塚治虫の漫画の最後の頁(1頁もしくは見開き1コマ)みたいな。いえ、手塚治虫の漫画は素晴らしいですが、それはそこまでのストーリーやコマ割り、構図などがあって、最後にそのページだからよいのであって、、、これ、舞台なので。

 

その前の場面が、義輝が斃れる前後から他の人物がどうしたのか(8割がた死ぬ)をテンポよく表していて良かったので、余計に最後の付け足し感が酷いと感じました。

背景の父母は無しで、星はもう少し抑えてくれるとよかったかなぁと思います。

 

粗筋は、HP見ていただくとして、感想を。

 

小四郎が…!本当に可哀そうで…!幸せになって欲しかったキャラNo1です…

義輝は周暠に小四郎を預けることで、小四郎を生かそうとしたのだとけれど、政敵は将来周暠が邪魔になる可能性を見越して、暗殺者を仕向ける。

小四郎は義輝から「周暠から離れるな」と言われたのは、守れということだったのだと思って、必死に戦うけど、周暠も小四郎も殺されてしまう。

……もうだめです。文字に起こしただけで泣ける。小四郎は子供~少年の設定なので、本当につらい。

 

真羽。とにかく義輝が大事一番大事。義輝のそばにいたい。身分違いなど求めあう二人の前には何の障害にもなりません。恋に生きる女だなぁ。

最期、義輝と共に死にたいと申し出て、けれど義輝に「二人の子を産んでほしい」と言われ(この時点で身重)、一人落ち延びる。約束通り出産したら、子育ては梅花に任せて後を追って死ぬ…と思ってたんだけど、これは敵方に捕らえられて死を賜った、が正解なのかな?ここの演出がちょっと分かりにくいです。

 

梅花。初日と円盤撮影日だけアクションあったとか。ま、まあ安全第一ですものね…(チケ代変わらないので、なんか釈然としない。そこまで見たいわけではないけれど)

鯉九郎といい雰囲気になると浮橋に邪魔される(大いなる偶然)。不憫だけど笑ってしまう。鯉九郎が死ぬとき、「戻るまで待つ(生きる)という約束、果たせそうもない」的なことを言うのがとても切ないです。(セリフはうろ覚えです、間違えていたら申し訳ありません)

 

元康がやたら「私の一番の武器は機が熟すまで待てる忍耐強さです!」って言いまくる。知恵を褒めてもらってる場面で「でも…」って言いだすので、わざわざ言い出してそこを認めてもらおうとするところが既に忍耐強くないなと思ってしまいました。

家康が天下を取れた理由のひとつに忍耐強さはあると思いますが、それとこれとは話が別です。

 

ラスト間際の鯉九郎VS磯良の戦いが~~格好いいんじゃ~~~~!剣客2人の死闘!相討ちで両者とも死にます。磯良役は殺陣師さんなので、本当に迫力!

ただセットが舞台にかなり張り出しているので、上ったり下りたり忙しい。でもここでは格好よく見えました。ここでは。

 

義輝が敵襲時に持っている刀剣を畳に刺し立てて、切れなくなったら次々と持ち替えて戦ったという逸話があり、それに則って義輝の最期の場面が描かれます。

で、私は原作未読なので、原作通りなのかビッグコンテンツの尻馬に乗ったのか、分からないのですが、義輝が刀を持ち変える度に銘を言うんですよ!

打ち取ったらこの名刀が手に入るぞ!という煽り。

覚えてるのは、典太と大包平と三日月宗近。そう、みかづきむねちか…しかも最後に。とうらぶ脳の私は、「あああああそんなに斬ったら折れるぅぅぅううううう!」ってなりましたし、鉄砲で撃たれる場面で納刀して杖みたいにして立つんですけど、「弾当たったら折れちゃうから打ち捨てて下さいぃぃいいいいい!」ってなりました。つまり場面に集中できませんでした。あーあ。

それから、1:多数の場面(100人斬のところ)で、セットが3つある(下手階段付き、上手屏風段付き、正面刀乱立盆)のが仇に。

大人数が立ち回るには狭いんですよ、おそらく。実際は部屋に押し入れるのは多くて2,3人だろうから、一度に対するのが1~3人くらいなのは良いのだけど、とにかく間合いが狭い。いや室内だから狭くていいんだよ、というお話もあると思うのですが…うーん…

私が観たのが公演前半、後方席だったので違う条件(席なり公演日なり)であれば気にならなかったのかも知れません。すごく義輝の近くで斬られている印象で、剣豪将軍なのにあまり強く見えないという…ああ…

 

話のつくりは、端折り方をもう少し工夫して欲しいけれど(若干説明不足)流れは分かりやすくて良かった。演出も最後の場面以外は特別悪くなく、見やすかったかなと思います。主演の演技も良かったですし。あ、でもオールバックいまいち似合わないですね…

全体の感想は「面白かった、良かった」なのに、詳細思いだすと粗ばかり覚えているという、なんだか申し訳ない仕儀に相成りました。